天体や感受点がアスペクト(角度)を作る際、ピッタリ0度や120度の角度でなくても良い。むしろピッタリになる方が稀なため、多少前後にずれても有効とする許容範囲がある。これを「オーブ」(Orbs)と呼ぶ。各アスペクトの中心からプラスマイナス●度までは便宜上、そのアスペクトの範囲内にあるとする考えである。オーブの範囲内であれば、それぞれの角度に応じたアスペクトによる影響を読み取ることが出来る。オーブは統計数学としての研究により、どのアスペクトにどのオーブが適しているか法則が設定されているが、アスペクトごと、形成する天体、占術家によっても異なり一定していない。ここでは一般的なオーブを記載する。
オーブが少ないほど強くハッキリとした影響が表れ、広角でオーブを設定するほどアスペクトの影響がぼやけていくことになる。例えば、オーブを±10度とルーズに設定すると、すべての天体が必ず他の天体とアスペクトを作ることになってしまう。オーブを広げるほど誰にでも当てはまるような事柄がどんどん混じり合い、その人独自の特徴が薄れてしまう。そのため、実際に鑑定で使用する際には許容度を狭くするほど正確な判断ができるとされる。かつての占星術ではオーブを広くしてアスペクトを作ろうとする風潮があった。特に過去の事象や過去の人物のホロスコープを占う場合はオーブを広くする方が何とか説明がつくとされていた。しかし、占星術の進歩とともにさらに有効な方法が実用化され、近年(1960年以降)ではオーブを狭く設定する傾向になっている。最近だと出生図のホロスコープの場合、オーブを1度以内のタイトな設定にする方が迷いの少ない判断ができるとされ、世界的な傾向となってきている。
ちなみに感受点を除き、どの惑星とも一切アスペクトを作らない惑星を「ノー・アスペクト」の天体と呼ぶ。一般的にメジャーアスペクトのオーブ5度から外れた惑星が該当する。その惑星の個性を発揮できないケースと、暴走して浮いてしまうケースに分かれるとされる。
Contents
【出生図(性格)】メジャーアスペクトの一般的なオーブ
※インコンジャンクト(150度)はマイナーアスペクトだが、時代とともにメジャーアスペクトとして扱われるようになったため、メジャーアスペクト扱いとする。
■コンジャンクション(0度):5〜10度
太陽・月を含むと8〜10度まで、それ以外の惑星同士は6〜8度までとするのが一般的。
(精度を優先してタイトに設定する場合は太陽・月含め5度まで)
効力の及ぶ範囲は-10〜10度
■セクスタイル(60度):4〜6度
太陽・月を含むと6度まで、それ以外の惑星同士は4〜6度までとする。
(精度を優先してタイトに設定する場合は太陽・月含め4度まで)
効力の及ぶ範囲は54〜66度
■スクエア(90度):5〜8度
太陽・月を含むと8度まで、それ以外の惑星同士は6〜8度までとする。
(精度を優先してタイトに設定する場合は太陽・月含め5度まで)
効力の及ぶ範囲は82〜98度
■トライン(120度):5〜8度
太陽・月を含むと8度まで、それ以外の惑星同士は6〜8度までとする。
(精度を優先してタイトに設定する場合は太陽・月含め5度まで)
効力の及ぶ範囲は112〜128度
■インコンジャンクト/クインカンクス(150度):2〜3度
2.5度と解説している解説書もある。
効力の及ぶ範囲は147〜153度
■オポジション(180度):5〜10度
太陽・月を含むと8〜10度まで、それ以外の惑星同士は6〜8度までとする。
(精度を優先してタイトに設定する場合は太陽・月含め5度まで)
効力の及ぶ範囲は170〜190度
【出生図(性格)】マイナーアスペクトの一般的なオーブ
■セミセクスタイル(30度):2度
2.5度と解説している解説書もある。
効力の及ぶ範囲は28〜32度
■セミスクエア(45度):4度
2.5度と解説している解説書もある。
効力の及ぶ範囲は41〜49度
■キンタイル(72度):2〜3度
2.5度と解説している解説書もある。
効力の及ぶ範囲は69〜75度
■セスキコードレイト(135度):4度
2.5度と解説している解説書もある。
効力の及ぶ範囲は131〜139度
■バイクインタイル(144度):2度
効力の及ぶ範囲は142〜146度
【運勢】トランジットの一般的なオーブ
解説書にもよるが、太陽のアスペクトの場合は5度、それ以外の天体は1度。
出生図のオーブより狭く設定する。(広くするほどアスペクトが増えて混乱するため)
【運勢】プログレスの一般的なオーブ
解説書にもよるが、1度以内とする。
出生図のオーブより狭く設定する。(広くするほどアスペクトが増えて混乱するため)
【相性】コンポジットの一般的なオーブ
狭ければ狭いほど強力。2人の出生図の天体のコンジャンクション1度以内で存在しなければ、3度まで広げる。3度まで広げてもコンジャンクションが見つからなければ、コンジャンクション以外のタイトなアスペクトを探して診断する。
出生図のオーブより狭く設定する。(広くするほどアスペクトが増えて混乱するため)